COLUMN家づくりコラム
近年増加している豪雨や台風。風害・水害に強い家とは②
昨今増加傾向にある豪雨や台風。将来的にも、変化していく地球環境の中で、予測しづらい異常気象が起こる可能性があります。台風や突然の豪雨といった災害の影響を受けにくく、被害を最小限にするためにはやはり、家に対する備えが重要です。
◆耐風等級について
台風の発生が多い日本では、地震に対してどれだけ耐えられるかを示した「耐震等級」があるように、風に対してどれだけ耐えられるかを示す「耐風等級」があります。耐震等級に比べて知名度が低く、あまり重視しない人も多いのでは。耐風等級は、以下のように設定されています。
・等級2(最高等級)
極めて希に(500年に一度程度)発生する暴風による力の1.2倍の力に対して倒壊、崩壊しない。希に(50年に一度程度)発生する暴風による力の1.2倍の力に対して損傷を生じない程度。
・等級1(建築基準法を満たしたレベル)
極めて希に(500年に一度程度)発生する暴風による力に対して倒壊、崩壊等せず、希に(50年に一度程度)発生する暴風による力に対して損傷を生じない程度。
基準については地域差が大きく、台風の多い地域では基準風速が高く設定されており、同じ耐風等級1級でも耐えられる強さが異なります。
◆強風に対する家の強さのカギになる「耐力壁」
大型台風などによる強風に対しては、鉄筋コンクリート造が最も強く、次いで鉄骨造、木造の順に弱くなるといわれています。しかし、木造の住宅においても耐風等級のレベルを満たす構造によって建てることで、十分強風に対抗する力をつけることが可能。
耐風等級の高い家を作るためには、壁の強さが重要になってきます。地震はもちろん風圧に対抗できる、住宅にとって重要な壁のことを、「耐力壁」といいます。建物の重さによる垂直方向からの力や、強風による水平方向からの力に対して、建物を支える役割を担っています。横からの力に対抗するためには、真上からの荷重を支える柱よりも耐力壁の方が重要です。
耐力壁にはいくつかの種類があり、建物の工法や構造によって異なりますが、同じ工法でも種類が複数存在します。
壁の強さを示す係数「壁倍率」といい、建物の安全性をはかる構造計算や壁量計算に使われる数値です。構造計算によって、耐震等級や耐風等級を取得することができます。
耐震等級の高い住まいは、風に対してもある程度強いとされていますが、やはりそのスタンスに違いがあります。自然災害に強い住まいをつくるために、家づくりの際は、耐震等級と耐風等級の両方を満たすような住まいのプランを検討することをおすすめします。
災害に負けない強い家を目指し十分な対策をして、長く安心して暮らすことができる住まいをつくっていきましょう。次回は、強風や雨に強い屋根の種類や、床下浸水などの水害リスクに対する備えなどについてお伝えします。